ワクチン強化月間 その2

風疹の大流行に伴いワクチンが不足しているようです。
またそのアオリを受けて麻疹・風疹混合(MR)ワクチンも不足し始めたとの通知がきました。
MRワクチンは本来1歳と小学校に入る前の2回接種することになっています。
このワクチンは人生の中で大事な定期ワクチンですのでおろそかにすることはできません。
ですから風疹の流行に伴い接種を希望する方も、その方それぞれ接種の必要性や抗体の保有状況によって接種の優先度を配慮するよう政府からの指導が来ています。

風疹は伝染性のあるウイルス疾患で、感染後2〜3週間の潜伏期間のあとに発熱・発疹で発症します。また頸部のリンパ節が大きく腫れます。
特に治療法がないのですが数日の経過で治癒することがほとんどです。
しかし脳炎や血小板の異常などの合併症を伴うこともあり注意が必要です。

最も大切なことは妊娠初期の女性がこのウイルスに感染すると胎児に様々な先天的な病気を起こしてしまいます。これを先天性風疹症候群(CRS)と呼びます。具体的には心臓疾患・難聴・視力障害などです。いずれも難病です。

昨年あたりから風疹の大流行が始まっていますが、最近このCRSの報告が急増しているようです。今の状況であれば今後もっと増える可能性もあります。

風疹ワクチンは以前は中学生の女子のみに、その後は1歳以上の男女に1回のみ定期接種として行われてきました。
そのためある年齢以上の男性には殆ど免疫がありません。またその年代の女性も、その後に1歳時に接種した男女(おそらく20歳代半ば以上)にしても1回しか接種してないので抗体が減って免疫が下がっています。

国際的な常識としては2回接種が普通だったのですが、2回接種したのはいまの大学生相当以下の年齢だと思います。

この半年くらい風疹流行の報道を受けて成人の方の予防接種のご希望が急増しています。風疹ワクチン接種の有無のみならず既に感染していたとしても予防接種可能なので十分なお話の上で接種をさせてもらっていました。
しかし今後はそれぞれの方の状況によって接種の必要性を検討して接種させていただくことになると思います。
場合によっては抗体価を調べた上で、ということになるかもしれません。ちなみにこの検査の費用も接種料金も自費ということになります。

小児医療に関わるものは、国に対して風疹ワクチン接種の緊急対応を要望しています。しかし今のところ具体的な動きはないようですね。

少子化が重要な政治課題と言われて久しいですが、現実は厳しく社会保障の予算は高齢者に手厚くなっています。
若い皆さん選挙に行きましょう。